まつげ |
伏せた睫毛が頬に青い影を落とす。 たくさん愛して貰った身体がまだ熱くて、体中がまだ、触れた少し冷たい手を覚えてる。 上り詰めたその熱に、どうにも抗えなくて、目の前が真っ白になって、そのまま・・・・・。 微かな温もりに寄り添うように身体を寄せた拍子に目が覚めた。 見上げる顔は窓からはいる淡い月の光に照らされて、月光が形を作ったみたいに見えた。 いつもは太陽の光を反射して、綺羅らかに輝く金糸は、月光の光で少しくすんだ、それでも柔らかく輝いている。 「…きれぇ…」 ほうっと、吐息で呟けば、不意に長い睫毛が震え、紫暗の華が咲いた。 「…どうした?」 問われた声は少し掠れていて、まだ眠そうで。 「さんぞ…?」 頷く俺の額に接吻て、三蔵は寝入ってしまった。 また、伏せた睫毛が頬に青い影を作る。 愛して貰っている時、苦しくて、気持ちよくて、涙に濡れた瞳を見開けば、少し辛そうに、でも気持ちよさそうに睫毛を伏せた三蔵の姿が見えた。 思い出してしまえば、身体が震えて、熱が蘇る。 見つめているとどうしても三蔵の伏せた睫毛に触れたくなって、そっと手を伸ばせば、その手は眠っているはずの三蔵の手に絡め取られ、柔らかな吐息で包まれた。 |