唇 |
桜唇に触れて、啄んで、また触れて。 しっとりと濡れて、綻んで、赤く色付く。 零れる吐息が甘く、切なくなれば、花開く。 「さんぞ…んっ…」 蜜のような声音が呼べば、深く合わせて、甘い口腔を存分に味わう。 「んっ……ぅ…ふっぅ…ぁん…」 下唇を甘噛みして離せば、銀糸がお互いを繋いで、零れた唾液を掬い取る。 「ぁ…さ…ぞぉ…」 甘く俺を呼ぶ声は艶を帯びて、金瞳が潤む。 俺に向かって、俺を求めるように伸ばされた細い腕(かいな)。 「さんぞ…」 俺を呼ぶ声は一層艶を掃いて、俺を煽る。 「…悟空」 呼べば、見つめる金瞳は嬉しそうに綻んで、桜唇が揺れる。 「…ぅんっ…」 誘う色にまた唇を合わせれば、拙い動きが応える。 「ぁうぁん……ふぁ…んっ」 息継ぐたびに、零れる声は嬌声に変わって、合わせた肌が粟立って揺れる。 軽く触れ合わせたままで、お前の顔を見れば、熱に浮かされた金瞳に俺が映っていた。 ああ…そうだ、お前が誘ったんだな。 さあ、続きを始めようか、悟空───── |