首 筋 |
日頃は黒いアンダーシャツに隠れている三蔵の首。 法衣をはだけて、上半身を脱いでも、白い肩先が見えるだけで、首は見えない。 見える時は、お風呂に入ってる時とか、私服を着ている時とか。 たくさん抱き合ったあとで、身体を寄せ合えば、目の前に綺麗な白い三蔵の首筋。 「三蔵って…美味そう」 抱き込まれた三蔵の腕の中から片手を出して、目の前の首筋に触れる。 「ああ?」 三蔵が眉間に軽く皺を寄せて俺を見下ろしてきた。 「だってさ、三蔵の首見てたらさ、そう思ったんだもん」 くすくすと込み上げてくる笑いをのせて応えれば、三蔵が小さく息を吐いた。 「何?」 そう言うなり、俺の首筋に唇を寄せて、強く吸い上げた。
そこって、服の襟で隠れないんだけど?
ちょっとむくれて見上げれば、三蔵の紫暗は楽しそうに綻んでいた。 「そんなことない。三蔵の方がぜってぇ美味い」 言うなり、俺は身体と首を伸ばして、目の前の三蔵の首筋に噛みついた。 「…っ」 一瞬、三蔵の身体が強張って、すぐに引きはがされた。 「ッの、サル」 引きはがされた格好のまま、三蔵の首筋を見れば、俺の歯形と一緒に紅い華が一つ咲いていた。 「…バァカ」 そっと、その紅い華を指先で触れたら、その手を三蔵に握り込まれた。 「さんぞ…?」 問えば、三蔵は俺の耳元に唇を寄せて、言葉をくれた。
うん、三蔵は俺のものだよ。
翌朝、いつものアンダーシャツで隠れた首筋から、紅い華の欠片が見えていた。 |