腰 |
「う…怠い…痛い…」 もそもそと寝台に埋もれた格好で傍らに座る三蔵に、悟空は恨めしげな表情で訴えていた。 「…か、加減してくれてもいいじゃん…か」 拗ねた口調で三蔵を睨めば、三蔵は片眉を上げただけで。 「八戒達に何て言い訳するんだよ…」 両手で余るくらい久しぶりの宿屋で、身体を重ねるのはもっと久しぶりで、抑制がお互いに効かなかった。 「別に…」 悟空の言葉に三蔵はどうでも良いような返事を返すと、また、悟空の上に覆い被さった。 「…も、もう無理、ぜってぇ無理」 三蔵の意図を察して、悟空が慌てて両腕を突っぱる。 「そうか?」 必死の形相で悟空は頷いた。 それなのに───── 突っ張る悟空の手を余所に、三蔵の手はいつの間にか掛布の下に潜り込み、悟空の腰を撫で上げる。 「…や、やめっ…ンッ…」 三蔵の触れる腰の辺りから、背筋を這い上がってくる熱。 「身体はそうは言ってないぞ?」 さわりと、下腹部を撫でた三蔵の手に、悟空の喉が鳴る。 「腰を壊さないようにしてやるよ」 震えだした腕で三蔵の身体を尚も突っぱねる悟空に三蔵は楽しそうな口調で告げて、ゆるく反応を示し始めた悟空の自身を撫撫で上げた。 |