甘ク、熱ク…
西に向かう途中。 二人部屋がふたつ。 法衣の袂を握り締めると、三蔵は軽くため息をついて、同室になることに同意してくれた。 「三蔵……」 包まれる体温を心地よく感じながらも、少しためらうように声をかける。 「八戒が、買出しに行くって言ってた」 低い囁き声が耳元でする。 「だから、手伝わなきゃ」 そういう答えが返ってくるが、抱きしめられた手が離れていくことはない。 ぞくりと、体に震えが走る。 「さん……ぞぉ……」 呼ぶ声が少しうわずる。 期待するかのように響く声に、三蔵がふっと笑みを漏らしたのがわかった。 柔らかな感触に息をつめる。 「悟空……」 低く囁かれる名前に、耳をくすぐられて、思わず体をすくめる。 だって、そんな風に呼ばれたら、しょーがないじゃないか。 くちゅり、と。 淫らに響く音と、濡れた感触と、甘い痛みと。 「ん……」 鼻にかかったような、吐息が思わず漏れる。 唇は、ゆっくりと、首筋を辿るように、耳の後ろから下へ下へとおりていく。
そして。
end |
<宝厨まりえ様 作> 「水桜月亭」様の5万Hit記念のアンケートに答えさせて頂いたお礼に頂いたお話です。 |