ニューロン |
────三蔵のカタチ。 それは金色の綺麗な髪と夜明け前の色を映した紫暗の瞳。 それと・・・・・ 拳銃。 後は・・・・うんと・・・ 誰も知らないスケベな顔。
執務室の窓辺に置いてあるソファに膝を抱えたままころんと転がった悟空は、山のような書類に囲まれて仕事をしている三蔵を見つめていた。
そうだ、すぐ怒るんだよな。 それから・・・何でも知ってるし、字がすっげえ上手い。 好き嫌いが多くて、ラーメンにマヨネーズ入れる。
イライラと煙草をくわえては、書類に目を通し、サインをして捺印をする。 悟空は身体を伸ばしてうつぶせになり、顔だけを三蔵に向ける。
三蔵のカタチであとは・・・あ、声。 普通に話す時は、ちょっと低い。 雨が降ってる時の声は、儚くて嫌い。 そんでスケベなことを考えてる時や変なこと考えてる時は、楽しそうな声。 誰より、何より三蔵が一番好き。
三蔵が悟空の視線が外れたことに顔を上げた時、悟空は静かな寝息を立てていた。
俺をカタチ造るもんに、お前も入れとけ、サル…
小さく喉を鳴らして笑うと、三蔵はまた仕事を再開した。
悟空の口から零れた三蔵のカタチ。 |