| 俺の好きなモノは──── お日様と青い空。
花と草と木とそこに住む友達。
お月様にお星様。
夜の匂いに風に雨。
暑いのも寒いのも温かいのも気持ちいい。
それから…
食べる物。
果物、野菜、肉、魚、お菓子、ジュース、お茶…何でも好き。
あとは…
優しい人、綺麗な人も好き。
人も物も綺麗なモノは何でも好きかも。
あ、八戒も好き。
優しくしてくれるし、美味しいモノ一杯作ってくれるから。
それだけじゃない。
綺麗な翡翠色の瞳もさらさらの黒髪も。
何よりあの笑顔が好き。
偶に、恐いけど根っこは優しいから。
あと、悟浄も好き。
構ってくれて、遊んでくれて、対等に扱ってくれるから。
あの紅い髪もルビーみたいな強い瞳も。
本当はお人好しで、優しい悟浄が好き。
笙玄も好きだよ。
って言ったら、笙玄が、
「無理しなくて良いですよ」
って笑うから、違うんだって思わず大きな声が出ちゃった。
笙玄は別格。
辛い時も、悲しい時も、嬉しい時も、楽しい時も、どんな時でもそこにいて見ててくれるから。
変わらずに穏やかに笑ってそこにいてくれる。
それだけで安心できるんだよ。
そう言って笑ったら、笙玄がすごく嬉しそうに笑った。
そして、
「三蔵様は?」
って訊くから、俺…
「大好き!」
って、叫んじゃった。
三蔵はね、無条件。
綺麗な綺麗な金の髪も透明な紫暗の瞳もその存在が絶対。
俺の存在を支えてくれる大切な人。
命より大事。
うん、本当に世界の全てよりも大事な人で、大好きな人。
そんな風に言ったら笙玄が、
「三蔵様もきっと、悟空が大好きですよ」
って、言ってくれた。
そうだったらいいなあ。
本当に、世界は好きなモノで溢れてるんだよ、三蔵。
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