アイシテル
さらさらしたシーツの肌触りが気持ちいい。

いっぱい三蔵に愛してもらって、いっぱい触れて貰って。
恥ずかしいこともいっぱい言ったり、したけど、ぜんぜん嫌じゃなくて。

気持ちよくて、気持ちよくて、どうにかなっちゃいそうで。
それが恐くて何度も三蔵に縋りついた。

そのたびに、三蔵が名前を呼んでくれて、接吻をくれて。
大きな手で愛してくれた。



さらさらした髪の感触が気持ちいい。

いっぱい三蔵が愛してくれて、いっぱい触れてくれた。
眉間の皺が消えて、ちょっと余裕がなくて、ちょっと困っていて。

気持ちいいって言うたびに、紫暗が嬉しそうに綻びて。
気持ちいいって身体が跳ねるたびに、抱き締められた。

いつもとは違う艶のある声で名前を呼ばれれば、もう何も解らなくなる。



さらさらと滑り落ちるシーツにくるまって、煙草をすう三蔵の横顔を眺める。

綺麗な指先が煙草に触れて、さっきまで俺を翻弄した唇が、薄紫の煙を吐き出す。
カーテンを引かない窓から差し込む明るい月の光に、俺を抱き締めてくれていた三蔵の肌が白く光っていた。

三蔵の髪の先から足先、指先、その唇が紡ぐ吐息まで。
三蔵の存在全てが好き。

こんな気持ちを何て言うんだろう。
好きのもっと上、大好きのそのもっと上。

身体を三蔵に初めて委ねた日に、三蔵がくれた言葉。
あの時、その意味がよく分からなかったけれど、嬉しかった。

今なら解る気がする。

うん、きっと─────



さらさらと髪を梳いてくれるその手が気持ちいい。

煙草をくわえて、俺を見下ろしてきた三蔵を引き寄せて、その耳元にそっと告げた。
恥ずかしくて吐息のような声しか出なかったけれど、ちゃんと三蔵に届いた。

だって、紫の宝石が一瞬見開かれたかと思うと、優しい接吻が降ってきたから。



「さんぞ、アイシテル…よ」

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