シャツ |
たくさん身体を重ねて、疲れ切って眠った次の日、陽の光に誘われるように悟空は目が覚めた。 寝台に身体を起こせば、昨夜、散々身体を高ぶらせ、苛んで、愛した人の姿は既に無くて。 「…さん、ぞ…」 名前を呼んでも応えはなくて。 体中に咲いた紅い花と気怠さを引きずって、寝台から下りる。 「やっと、起きたか…」 窓際の長椅子に座って新聞を読んでいた三蔵が、その気配に顔を上げ、眩しそうに瞳を眇めた。 「…はよ、さんぞ」 ほんわりと笑えば、三蔵は返事の代わりに小さなため息を零した。 「な、に?」 問えば、 「…お前は…誘っているのか?」 と、腕を引っ張られた。 「そんなこ……んっ」 否定の言葉は三蔵の唇に取られ、代わりに熱を煽るような口付けが与えられた。 「…ぅん…ふっ…んん…」 昨夜の熱が呼び覚まされ、悟空の身体はすぐに熱を帯びる。 「…さ、んぞ…」 唇に触れたまま名前を呼べば、身体を抱き込む腕が、羽織ったシャツの隙間から身体を撫でた。 「…ぁん…やぁ…ま、まってよぉ…」 脇腹を撫で上げ、胸の飾りを指先で捏ねられ、悟空は熱い吐息を零しながら、その手を止めようとする。 「誘ったお前が悪い」 反論は下肢を撫で上げ、柔らかく握り込まれた圧迫で止められ、駈け上がる快感に悟空の身体が撓った。 「誘った責任は取れよ、悟空」 行為の始まりを告げるように、羽織っただけのシャツが微かな音を立てて床に落ちた。 |