人間くさいカーナビ(1) (2003.9.15/parallel)
<三蔵みたいなカーナビ>

『目的地を言え』
「えっと…」
『早く言わねぇか』
「あ、すみません。K区の総合会館までお願いします」
『よし』

『おい、二つ目の信号を左折だ』
「はい」

『よし、そのまま直進』
「はい」
『…ったく、めんどくせぇ』



ってな感じ?




<悟空みたいなカーナビ>

『目的地を教えてくれよな』
「k区の総合会館」
『OK!任してくれよな』
「はい」

『その信号すんだら、二つ目の信号を左折れな』
「左折れ?…ああ、左折ね」
『させつって読むのか。お前頭良いのな』
「いえ、それほどでも…」

『んじゃあ、そのまま真っ直ぐ進んでぇ…あれ?』
「はい?」
『これ何て書いてあるのか、読めねぇ』
「へっ?」



ってな具合。




<悟浄みたいなカーナビ>

『おら、とっとと目的地を言えってぇの』
「K区の総合会館まで」
『あいよ』

『その信号を過ぎたら二つ目を左折しろよ』
「はい」
『で、お嬢さん、今晩暇?』
「あ…こ、今晩は予定が…」
『そんなの放って、俺と遊ばない?』
「それは…あ、左折しました」
『じゃ、そのまま直進400メートル』
「はい」



って、怪しいかな?




<八戒みたいなカーナビ>

『目的地を仰って下さいね』
「はい。K区総合会館まで」
『了解しました』
「お願いします」

『総合会館で今日はバザーが開かれるんですよね』
「ええ」
『何かお目当てが?』
「N店のパンを買おうかと思って」
『ああ、あそこのパンは美味しいですよね』
「はいv」
『あ、次の信号を左折して下さいね』
「はい」

『他には何か?』
「別に…」
『では、G屋のお饅頭がお勧めですよ』
「G屋ですか…」
『お気に召しませんか?左折したら400メートル直進です』
「は、はい。っていうか、お饅頭よりケーキの方が…」
『僕のお薦めはお気に召さないようですね』
「あ…そ、そんなことはないです。買わせていただきます』
『それじゃあ、よろしくお願いしますね』



って、逆らえない…。




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