『おい、エンジンかけろ』
「エンジンだな」
『よし、じゃあ目的地を教えろ』
「えっと…ここ」(地図を指さす、悟空)
『このバカ。口で言え、口で』
「あ、そうか。えっと、Y公会堂」
『行くぞ』
「うんv」
『その先の十字路を右だ』
「右?右にまがるのか?」
『そうだ』
「わかった」
『ウィンカーちゃんと出せよ』
「わかってるって」
『次の信号をもう一度右にまがれ』
「えっ?ああっ!」
『なんだ?』
「行き過ぎちゃった…」
『ったく…じゃあ、二つ目の角を右だ』
「いいの?」
『ちゃんと着くから安心しろ』
「…ん。ありがと」
って…どーよ、これ。
++++++++++
『どこ行くんだ?』
「S音楽堂だ」
『わかった』
「ちゃんと案内しろよ」
『大丈夫だってv』
(いまいち、不安な三蔵…)
『二百メートル真っ直ぐ行って、そんで…』
「それで?」
『あ、右に曲がるんだ』
「………」
『間違えたか?』
「あってるよ、サル」
『俺は、サルじゃなくてPBY−S59のカーナビゲーション・システムなの』
「だったら、ちゃんと働け」
『むぅ…』
「で、次は?」
『へっ?』
「てめぇ…」
『あ、ああ、四つ目の信号をもう一回右だよ』
「…バーカ」
って、いちゃついてるだけか…?
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