知っていますか? (2005.7.21/parallel・from Gaze)
「……ご、じょう…」

目覚めればそこは見知った彼の部屋で。
覗き込むようにして見下ろすあなたの紅玉は何処までも深い。

「僕は…」

掠れた声で問えば、少し冷たいあなたの手が僕の瞳を隠した。

「今回だけだからな」
「…ぇ?」

告げる声は何処までも冷たくて。
僕の心臓を刺す。

「…お前は俺のモノだろ?」
「悟浄?!」
「八戒…そうだろ?」

その声は冷たく刺さるのに何故か哀しくて。

「ええ…僕はあなたのモノです」
「なら…」
「なら?」
「裏切ったらコロスよ?」
「はい」

返事は熱い吐息に攫われた。
あなたの不安が消えたら、僕にその右腕の怪我を治療させて下さいね。

僕があなたのモノであるように、あなたはその血一滴さえも僕のモノだって知っていますか?




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