そーゆうお年頃? (2005.10.20/寺院時代・みつまめ様作)
――誰だよぉぉ〜っ!?

酒を飲むと、「感覚が鈍くなる」って言ってたの?
だから「こーゆう時」に、あんまり役に立たなくなったりするんだぜ?…とか、言ってたヤツ!!

――押し倒されたベッドの上。
三蔵の金糸が寝室の明かりに照らされて、キラキラ輝いているのが見える。

「…で、何か言いたい事は?悟空。」

俺の腕を頭の上で拘束するみたいに掴んでいる三蔵の白い貌が――怖い。
噛み付くみたいにして、紅い痣を刻まれた首筋が熱く疼いている。

「え、っと、その…」
「俺が「わざわざ」隠しておいた酒を、「わざわざ」探し出してまで飲ん…酔っ払った挙句―――俺の上に乗っかって来た理由は?」
「の、乗っかった…って! そんな言い方…しなくったって…;」
「その通りだろうが?」
「いや、別に…その、ちょっとシないかな〜?って思っただけで――」
「その程度で、お前は男の上に被さってくるのか?」
「い、いや……だから、それは〜〜酔ったイキオイ…かな?は…ははは…っ?」

必死に愛想笑いを浮かべてみたけど、三蔵の瞳は疑いの色を緩めない。

「…前々から、お前は酔い易いんだから飲むな――って、言っておいたよな?」
「――…う、ん。」
「その約束破ってまで、飲もうとした理由を知りてぇーだけだ。」

脅すように言って――ツイっと、三蔵の指が俺の感じやすい脇腹をなぞった。

「ひやぁぁッ!」

ヤバイ!
とっさに口を押さえたけど!本当に、本ー当ッに、ヤバイ!
絶対、いつもより感じてるぞ?!俺ッ?!

「――さん、さんぞ、三蔵ぉ!待てって!」
「白状するか?」

誤魔化しが効かないように、グィッと顎を持ち上げられて――瞳を捕らえられた。
いつだって、俺を良いように扱う白い指先が、脅すみたいに唇の形をなぞる。
それだけでもう、身体の奥に火が灯るように熱くなっていくんだ。

「………だって」
「だって?」
「――俺、いつも、三蔵と…し…シてる時、か、か、感じて、ばっかりで…、なんかもう、いっぱいいっぱいで…全然、なんにも!!三蔵にシテあげれてない気がして!だから、その、酔ったら感覚鈍くなるッて悟浄に聞いたから――飲んでみたんだよ!
それで、カンジなかったら溺れなくて済むから――冷静に(?)三蔵もイイ気分になるようにシテあげれるかと思ったから…ッ!!」

言葉にしていくうちに、だんだん自棄っぱっちになっちゃって――最後の方は思いっきり叫んでいた。



…だってさ、だってさぁ?
悩んで悩んで、やっと実行に移したんだぜ?!

しかも、三蔵の仕事の少ない時を選んで狙うのって、それだけでも大変だったんだぞ?!

…なのに――ひでぇ、サギじゃん?
酔ったら、かえって感覚が鋭くなるなんてさぁッ?!体質にも寄るんだって、なんで教えないんだよぉ?!
悟浄のバカぁ〜〜ぁ!(泣)

聞いて、信じた俺がバカだったのか?
…バカ…なん…だろうな…。

一過性の怒りが過ぎ去った後、俺は虚しくなってしょんぼりした。

…三蔵は何も言わない。
やっぱり呆れたんだろう。
うん、俺もだよ。

――と。

「バカ猿」

呆れたような声が落ちてきた。

眼を伏せていたから、三蔵の表情が見えなくて。
でもなんか、…なんか、妙に嬉しそうに聞こえたような?

「…? さんぞ?」

あれ?
怒っていた癖に。
なんだよ。笑ってる…?

反則じゃん、滅多に見れない――綺麗な…そんなカオ。
真面目に悩んだのに、笑うなよ…って思うのに。

なんか、なんかさぁ。
いつもの――俺のままで良いんじゃないか…って。
そんな気になるじゃん。

口惜しくなって、少し頬を膨らましていたら――伏せた瞼に…優しいキスが落ちてきた。

酔ってるせいかな?
――酷く甘ったるくて、なんだか、スッゴク幸せな気分になっちゃった。




<みつまめ様 作>

みつまめさんに頂きましたv
ご本人のご希望でこちらにアップです。
我が家の酔っぱらいシリーズ?の横へ置いて下さいという嬉しいご希望に私が小躍りしたことは内緒です(笑)

キリ番踏み抜いたお祝いですってv
いや〜何事もやってみるもんですね〜うふふvv
あ、リクエストも決まってさせて頂きました。
自分じゃまあ、絶対書けないようなお話をね、お強請りしました。
結構緊張しますねぇ…ええ、ホントに心臓に悪いです。

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