花束を君に (2006.2.14/parallel) |
待ち合わせの場所へ行く通り道にある花屋で見かけた早咲きのスイトピー。 色とりどりに所狭しと並べられたその姿に元気なアイツを思い出した。 そう言えば今日はチョコレート屋の思惑に踊るイベントの日だと思い出した。 いつもアイツから貰うばかりだと過ぎった考えに、柄にもないことを思いついた。 一体どんな顔をするのか。 驚くか? 試してみるのもイイかも知れない。
待ち合わせの並木道のはずれ。 が、それもあと少し。 ほら、アイツが頬も鼻の頭も真っ赤にして、白い吐息を零しながら走ってくる。
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待ち合わせの時間までまだ少し間があるけれど、あの人はいつも時間より少し早く来ているから。 それに、今日は特別だし。 でも、あの人は菓子屋の思惑に踊らされる日だとか言って、取り合ってはくれないけれど、これは気持ちだから。
走って、走って…。
突然目の前に春が来た。 「てめえ、風邪引くだろうが」 そう言って、自分のマフラーを巻いてくれた。 「チョコの代わりだ」 って、言われた。 「泣くか、笑うかどっちかにしろ、バカ」 って。 三蔵、大好き。
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