なのに…
何?この暑さ。 俺、何かした? そう思えるくらい、暑い。
三蔵は夏衣着て、見た目は涼しそうな格好で、本堂に籠もってる。 法要で籠もってるんだけど、本堂は実を言うと涼しいんだ。
床は石で、天井が高くて、薄暗くて、でも、風通しが最高にいい。 本堂の周囲の扉を開け放ってしまえば、本当に風が通り抜けて、涼しいんだ。 俺も、行って涼みたい。 でも、今は仕事中だから、絶対、近寄ったらダメだし…。
風の通らない居間で、茹だっていたら、笙玄が俺を呼んだ。 何事かと身体を起こせば、庭先で水まきしてる。
「悟空、一緒に水まきしましょう。気持ちいいですよぉ」
って。 俺は一も二もなく、外へ飛び出した。 ホースからの水は冷たくて、気持ちよくて、最後には笙玄と水遊びになった。