#11.風邪薬 |
今日、笙玄さんがウチの店に来られました。 いつも悟空が持って帰ってくる動物のケガの治療や悟空が作ってくるケガの手当に傷薬や包帯や絆創膏、消毒薬などを買って帰る笙玄さんが、今日は風邪薬も一緒に買って帰られました。 袋に詰めながらお話をしたのですが、どうも三蔵様が風邪を引かれたようだと仰っていらっしゃいました。 酷くなれば寺院の診療所にいらっしゃる康永先生が診察なさるそうですが、軽い風邪は市販のお薬で治してしまわれるんだそうです。 無理をすぐなさるからどうしても年に何回かは風邪を拗らせてしまわれて、悟空を泣かせてしまって困ると、笑って仰っていました。 今回は喉がいがらっぽいだけのご様子ですので、皆さまご心配なさらないでくださいね。 |
#12.募 集 |
もうすぐ三蔵様のお誕生日です。 会員の皆さまから三蔵様へのお誕生日プレゼントやメッセージを募集致します。 三蔵様のお手元へは、寺院の会員の手によってお届けできることとなりましたので、皆さま三蔵様のご趣味に沿った素敵なプレゼントやお祝いのメッセージをお送り下さいね。 <お届け係より> |
#13.見かけました |
今日、店の前を掃除していたら三蔵様と悟空を見かけました。 二人でたくさんの荷物を抱えて、楽しそうなご様子でした。 悟空が嬉しそうに笑って、三蔵様に何か言う事に、三蔵様が小さく笑っていらして、そのお姿のお優しいことといったら! 普段はきつい表情で、誰も傍に寄せ付けない雰囲気の三蔵様ですが、悟空が傍に居る時は、そのきつい雰囲気が柔らかくなるんです。 そう、悟空にだけ与えられる特権なんでしょうね。 本当に三蔵様は悟空を大切にしていらっしゃって、自覚なく、悟空を甘やかしていらっしゃるんですよね。 でも、悟空はちゃんとわきまえているのか、三蔵様に甘えすぎて見ているこちらが怒りたくなるようなことはなくて。 三蔵様のお気持ちを窺いながら、控えるところはちゃんと控えているんですよ。 向かいの饅頭屋でのやり取りを聞いていてそう思いました。 優しい関係なんですね。 でも、でも、三蔵様の優しいお姿を独り占めしている悟空が羨ましいやら、憎らしいやらデス。 |
#14.三蔵様生誕祭レポート(1) |
たくさんの皆さまが参加なさった三蔵様の生誕祭。 参加された皆さまから素晴らしかった、綺麗だった、格好良かったとの感想をたくさん頂いています。 ここにそれを掲載しても良いのですが、今回は寺院所属の会員の方にレポートをお願い致しました。 以下に、そのレポート全文を載せますので、参加できなかった皆さまも、参加なさった皆さまも楽しんで頂ければ幸いです。 そして、一つお詫びです。 今回、三蔵様のご希望でカメラの持ち込みが禁止されてしまいましたので、残念ながら当日の美しい三蔵様のお写真はありません。 楽しみにしていて下さった皆さま、お許し下さいね。 ++++++++++ 11月28日、今日はとても暖かく、穏やかな朝を迎えました。 さて、私はいつもの朝のお勤めを済まし、仲間達と修行場や前庭、境内の点検と飾り付けを致しました。 三蔵様がお出ましになる時間の少し前、私は笙玄に連れられて初めて奥の院の大扉を潜りました。 私はおっかなびっくり、笙玄に連れられて三蔵様の執務室に入りました。 「三蔵様、ご用意はお済みですか?」 笙玄が声をかけると、執務机の後ろの扉から三蔵様が姿をお見せになられました。 「三蔵、すっげえきれぇ…」 三蔵様の背後から聞こえてきた声に我に返れば、灰青色に黄みがかったベージュの縁取りをしたカンフーチャイナを着た悟空が、三蔵様の後ろから顔を覗かせて笑っていました。 「うるせぇ」 と、軽く悟空の頭をはたかれたのです。 「もうお時間ですよ」 笙玄の言葉に三蔵様と悟空が頷かれました。 「大人しくしてろよ、サル」 そんな仲むつまじいやり取りをなさった三蔵様は、くしゃっと悟空の頭をひと撫でされて、笙玄と私に向き直られました。 「行くぞ」 私と笙玄は大きく頷いて、執務室を後にしました。 >>#15へ続く |
#15.三蔵様生誕祭レポート(2) |
笙玄を先導にして、三蔵様と私達は、大雄宝殿に入り、御仏に生誕祭の無事と三蔵様のご健康、この一年の平安の祈願を致しました。 ご自身の誕生日にご自身でご自分のことをお祈りになられるのは妙なモノですが、これも三蔵様が最高僧というお立場ゆえと思っております。 祈願が終わると、三蔵様は大雄宝殿の前に設えた仮説の簀の子にお立ちになられました。 その後、簀の子から境内に下りられた三蔵様は近しく、信者の皆さまとお言葉を交わされながら奥の院へお下がりになりました。
信者の立ち入りを禁止する場所に入られた途端、 「てめえ、あんなこと去年はなかったじゃねぇか」 と、前を歩く笙玄の襟首を掴んでしまわれたのです。 「さ、三蔵様…な、なにを…」 げほげほと咳き込みながら笙玄は三蔵様を見上げました。 咳が落ち着いた笙玄は、立ち上がって裾を払い、ため息ともつかない息を吐きました。 「しかたないんですよ。信者の方々のたっての希望ですので、無下にも出来なかったんです」 にっこりと綺麗な笑顔を三蔵様に返し、笙玄は「諦めてくださいね」と三蔵様に告げました。 「客殿に陛下がお待ちでいらっしゃいます」 こめかみに手を当てて、頭痛を堪えるような様子の三蔵様が渋々頷かれました。 >>#16へ続く |